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評価委員の皆様による講評

2014.05.23 | トピックス

奥山先生:

ありがとうございました。以上で大学からの報告は終了したいと思います。

では最後になりますけれども、評価委員の皆様方からの講評ということで、5分ずつ講評を

お願いしたいと思っております。よろしいでしょうか?

では、すいませんこちらの田畑先生からお願いいたします。

 

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田畑氏:

大変素晴らしいですね、本学のCOC事業の取り組みを今日見させていただきました。

私はですね、昨年から評価委員をさせて頂いていますので、その学生さんの伸びとかですね、事業の取り組みがですね、非常に進化発展してるなというふうに実感しております。先程、ご指摘された本学のCOC事業とプレゼンが合致していないというお話ありましたけれども、

私はそういう風には感じていません。つまり、地域とのキーワードは「繋がり」だと思います。先ほど、学長がお話していた「飛び立たない人材育成」という風におっしゃっていましたが、これは聞きようによっては危険な言葉かなと思いますが、、学長さんが自信を持ってですね、群馬県やこの地域を活性化していきたいという強い理念・哲学のもと、大学経営をされているなとういのを大変強く感じます。

それをですね、それぞれのポジションで地域との人との繋がりという点では、正に私は合致していて、その関わることによって子どもたちや保護者や地域や会社や色んなところが活性化して、そして本学の学生がプレゼンテーションの力も含めて大変に伸びているなというふうに思います。もちろん「これが苦しかったんです」というような話も良いと思いますけれども、やはり私はこういう場では、ブライトな形での発表力というものも大変必要だと思いますし、それが自己肯定感ですとか、エンパワーに繋がっていくのではないかと思います。

私ちょっと学生さんに聴きたいのは、この大学に入る前と、今こうしてこの場にいて、自己変容とか自己肯定感すごく高まっているんじゃないかと思うんですよ。そして後輩たちに「前橋国際大学はいい大学だよ」と自信を持って言えるのではないのかなという風に思います。

またそれをちょっと後で聞きたいと思いますが。

それとですね、副学長さんが希望者は少ないとか、この授業に関する学生が増えていないというお話をちょっと聴いてですね。

 

後藤副学長:

増えていないのではないのですけれども、やはり、全員がCOCの科目をとりたいという関心を持っているかというとですね、まだそこまでいっていないということだと思います。

 

田畑先生

それをですね、是非全学生に周知していってですね、たくさんの方が関心を持ってセレクトしていけるようになるといいと思います。私も小学校教育に関わっている者として、地域の人材を学校教育の中にいかに入れるか、子供たちにたくさんの人達と触れさせるか、地域に返していくかというのは、これが子供達の、先程副学長さんもお話されてたんですけれども、幸せに繋がるんだと思うんですよ。生きる力に繋がっていくと思います。とても視点的にはですね、自分事として考える学生、地域を考える学生さんが増えているなということを感じて、みなさんすごい成長しているなという風に思います。もう感動して聴いています。

去年は、やはりすごい緊張していて頑張っているな、という印象を持ったんですけれども、1年でこんなに自信を持ってですね、誇りを持ってですね、それが言葉の節々に出ているというのが大変素晴らしいなと思いました。もし、自分が同じような年齢だったら前橋国際大学に入って一緒に学びたいな、古井戸君と一緒に平出地区に住みたいなと、我こそはと地域活性化してやりたいなと思います。私は古井戸君大好きですから。焦って生きているんじゃなくて、ゆっくりと足場を固めているなって、こういう生き方があってもいいのかなと思うんで、今回また逢えて幸せです。COCは「繋がり」という風なキーワードでまとめられるなという風に思い、大変素晴らしい事業だなと思いました。これからの進化発展に期待しています。

ありがとうございます。

 

奥山先生

先程のご質問で、大学に入る前と入った後の違いについて、この前橋国際大学に入ってから授業に参加しての自己変容に関して、学生で言いたいことがある人はいますか。

 

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新井さん:

ご質問ありがとうございます。

私は高校も、共愛なんですけれども、高校に所属している時は自分に自信がなくて。アメリカに生まれて、アメリカに住んでいた、ということがコンプレックスだったんですね。人と違うからやはり日本のイメージとして、いじめがあるって思って。人と一緒じゃないといけないから人に合わせてという風にしていたので、高校時代も友達に自分の意見は言わずに、「いいよ。みんなのやりたいようにやって」というふうに、ずっと下を向いている人間だったんですね。なんですけど、この大学に入って、Mキッズだけではなくて、色んなボランティア参加させて頂いて、自分の意見を持って、人とぶつかって何かを作っていく、人と協力し合って何かを作っていって、自己肯定感がすごく高まって、今こういう風に皆さんの前で発表させていただいたりとか、貴重な経験をさせていただいているので、すごくこの大学に入って良かったと思っています。

 

奥山先生

ありがとうございます。(一同拍手)

では、あの八木様お願いいたします。

 

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八木氏:

どうも、みなさんご苦労様です。企業経営者なので、学校の話と違うことを言うかと思うんですけども、今日は後ろの方でまとめてくれる人がいるので。話は2つと余計な事1つ。

1つ目は、企業経営者としてよく群馬の同友会でも言われるんですけれども、「あなたは何のために経営者をやっているのですか?」「なんで経営しているのか?」というのをスタートに経営方針を作っています。というのも、創業者はできるんだけれども、後継者はあんまり何もできない。何のためと言っても親父から受けついたんだよと。ただ、わかってきたのは、やっぱりそういう後継者や社長であっても、自分の所の商品について話してごらんと言うと、こういう事やっているんだよとスラスラ喋れる。言いたかったのは、要は商品やサービスに会社の理念が入っているんだよということ。例えば、この大学でいうとカリキュラムもサービスだと思うんだけど、カリキュラムにも1つの理念があって、カリキュラムが作られている。先程の豆腐についても、豆腐の中に理念が入っている。豆腐を食べた時の感覚とやっぱり企業の理念がどう違うかというところが突っ込むくらいの気持ちは必要かなと思います。自分のところの商品は、本当に自信を持って作っている人達が多いのか、或いはそうではないのか、というところを考えると、商品の中に理念が入っているというよというのを忘れないでほしいなという風に思います。

あと、ここが違うよ、というような話なんだけど、コミュニケーションというのは学生の中でも先生方の話の中でも出ていましたけれども、うちではコミュニケーション力ってあまり言わないし、報告・連絡・相談というのは、私なんかはあれは嘘だからとい言っています。極端だけど株式会社シンデンの中では嘘だからと。どう言ってるかというと、気になること、わからない事はとにかく聴く、とにかく聴きなさいと。クレーム、納期遅れの問題はとにかく騒ぐ。これはどういうことかというと、先程写真の話があったけれども「写真はどうやって撮ればいいのですか」って「どんな写真を撮ればいいのですか」と聞けばいいだけの話だったと思うんですよ。分かんなかったら、「でも困るんです」って言って聞く。例えば質問攻めで大森学長にそういう質問すると「俺は忙しいんだから」と言って、ただ会社は、学校は1対1だから、本当に答える人が1人なんで忙しい状況なんていうのもあるんだけど、会社っていうのは1人ではないっていう話を誰かしてたと思うんだけど、会社は1人ではない。俺は教えられなくても、他の人が教えてくれたり、あるいは別の人が教えてくれたり。騒いでいると学生時代は騒いでいる人はいないかもしれないけれども。騒いでる、の最終型は叱られるうるさいっていう風に言われて終わりで。それは自分たちで騒いで楽しいからなんだけど。周りの人からは実は周りから見ると「うるさいね」。それくらいに聞いて行かないとダメなんだろうな。うちではダメだからね。騒いでいると、騒いでいるねって。

例えばいい話、営業と現場でクレームの話をしていて、電話に女性が出た瞬間に「誰々だけどあれどうなってる」っていう風になっても、全然ニュアンスも聞いていなかったら回りの人はわかんないでしょ。他の人がニュアンスを聞いていたら「そうですかでは担当に変わりますから」って。それぐらい会社っていうものは、みんなでやっている組織なので報告・連絡・相談、1対1ではなくて、騒いでいるっていう風に。本当に職場に入ったら、わかんないことがあったら、「うるさい」って言われるぐらい聞いた方が良いよということです。

あともう1つが余計な話というのは、実はあの今日は初見でみたので、はじめの方がいいんだけど学生さんのところが、だいたいインターンシップに参加しての気づきとかは、長期インターンシップに入っての感想とか、1段落になったので、どこで切って聞いたらいいのかわからなかったので、もう少し切った方がいいなっていうのが余計なことです。以上です。

 

奥山先生:

はい、ありがとうございました。(一同拍手)

では、藤田さんお願いします。

 

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藤田氏:

事前に頂いていた資料を見て、こんなことをやっている大学が日本にあるんだと思って今日来たのですが、改めてなかなかこんなことをやっている大学は、日本にあまりないんじゃないかと思いました。

私からはですね、参加した学生さん皆さんにお願いと言うかですね、私はずっと社会人としてやってきたわけなんですけれども、卒業するまで、またこういうプログラムに参加して、今回と同じように色々な気づきや発見があると思います。自分に対する事や世の中のこと、いろんな事に気づくと思うんですけれども。それを学生時代の良い思い出とかなんとか置いてきてほしくないんです。これはね出発点なんです、皆さんにとっては。あくまでも出発点で、大学でカリキュラムがあったから取って、卒業した途端に「いい思い出だこれからは社会人なんだから別なんだ」というふうに思う人が非常に多いのですが、そうではなくて、これからなんだということを私は言いたいんですね。

というのは、先程清水先生が今日何度も仰っていましたが、「学ぶこと」「働くこと」「生きること」が繋がるということですけれども。残念ながら、社会人になると働くこと一色になってしまうんですね。となると皆さん、訳がわかんなくなっていって、こんなはずじゃなかったというような壁にぶち当たって、今、日本の現実は3年で3割の新入社員が辞めてしまうというのが現実です。これは学生、新入社員にも問題があるかもしれませんが、企業側にも大いに責任があると私は思っています。これが今の行き詰まっている日本の1つの表れなんですよ。

いわゆる、学生が入って3年でやめてしまうというのが日本の悲しい現実であって、これをなんとかで打破していくには、ここで気づいたことを過去の思い出ではなくて、これからも皆さんは社会に入って、自分で問い続けていって、何らかを変えて行く担い手になってもらいたいなっていう思いを今日聞いていて改めて思いました。

いろんなことがありますよ。おそらくこのインターンシップではあるいはCOCでは、皆様はお客様扱いで行っているから、企業に入っているとまるで逆だから。「えっ、こんなのが社会なの?」って色んなギャップを感じると思いますが、そこからが実は出発点で。是非、その中で学んだことをこれからも学び続けて、考え続けでチャレンジしていってもらいたいなというふうに、改めて思います。

先程このCOCの本質的なお話が友成先生からありましたが、私は本質的な評価は、このプロジェクトがずっと進んでいって、この地域で皆さんのような卒業生が社会で活躍して、「あっこういう形でこの地域は変わってきた」ということが実証されることが本当の評価に繋がっていくのだと思います。

大学だけの評価ではなくて、その卒業後の事が、おそらく本質的な評価に繋がっていくのだと思うので、是非1つの思い出として残すのではなくて、引きずっていってもらいたい、という風に私からのお願いで終わりたいと思います。ありがとうございます。

 

奥山先生:

ありがとうございました。

では、最後に友成先生お願い致します。

 

 

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友成氏:

これは私が最近書いた本です。「ワセダ発、ぶつかる社会連携」という題名ですが、大学職員が教育プログラムを作ったところに意味があります。実はこれは、奥山先生が早稲田時代に深く、深く仕込んだことが花開いているということを、ご紹介をしたいと思います。

今日、学生の皆さんが非常に雄弁に自らの体験を自分の言葉で語っている姿を見たら、これはもうプログラムとして大成功していると感じました。自分がたくさん語れる体験を持ったことが、恐らく一番重要な話なんじゃないかと思います。

確実に皆さんはプログラムを経験してお喋りになっているんじゃないかなと。学生の皆さんはどちらかと言うと、限られた大学という空間の中で、自分たちの殻の中に閉じこもりがちです。そうなると自分たちの世界だけしか見えない。その殻をどうやってぶち破っていくのかというのがまさに地域との連携、社会との連携のプログラムの醍醐味だと思います。

一体何が見えて来たかというと、自分と違う人たち、それが子どもであったり社会人であったりします。そういう人たちは自分とは全く違う考えのもとで生きているんだということが分かっていく。それがおそらく、持っている殻をぶち破る瞬間じゃないかなという気がします。いまの説明はマクロな一般論的でしたが、みなさんが現場で体験したことはとてもミクロな事です。そして、社会の中で力を持つのはこの非常にミクロな皆さんのリアルな実体験だということは確実です。

長期インターンシップの先輩方が「失敗を恐れるな」と言った。そんなアドバイスを受けて、現場で実際に「こんな巨大な失敗をしました」という話とか、先程大森先生がおっしゃった「いや、泣いただろう。なんで、泣いたんだ」みたいな話だとか、「これに熱中しました」みたいな話。それはたぶん、皆さん一人ひとりが自分のストーリーとしてしか語れないと思うんですね。それが社会の中で一番力を持つと思います

他方、「私はこんなプログラムに入りまして、非常に大きな気づきを得まして、社会人基礎力が高まりました」というようなマクロな言説は、みんなが口にする話なんです。おそらく就活とかで一番力を持つのは、皆さんでなければ語れないような泣けるストーリーなんです。それはすごく大切にしていただきたいと思います。

それから、社会と学生のプログラムで、どっちが問題かという話があります。学生の皆さんは確実に育っていて、放っておても大丈夫だと思うんです。比較的問題なのは社会の側の方ではないかと。藤田さんもそういうことをおっしゃっていました。清水先生が、「学ぶこと」と「働くこと」と「生きること」これがイコールになるというような体験とご説明されました。私の知る限りでは、「学ぶこと」と「働くこと」と「生きること」が合致している社会人なんて一人もいないんじゃないかと。

そのように行き詰まってしまっている社会というものの方が実は問題として大きいという気がしてならないんです。そうすると、COCやCOC+は基本的に大学の教育プログラムなのですが、もっと本質的にいうと、社会を変えていくプログラムとして価値を持っているんじゃないかと。だから、その辺のところをもっとちゃんとプログラムの中でも配慮しながらやっていったほうがいいと思います。

先程の長期インターンシップの中、阿久津君が枚数の重さを計り間違えて周りの人に迷惑をかけた話がありましたが、それって阿久津君が言っていた「周りの人を巻き込む力」そのものではないでしょうか。周りの社会人が巻き込まれてしまっている。凄く良いなと思いました。

小林さんが、都丸さんのところにまた関わりたいなとおっしゃっていました。これは圧倒的に都丸さんの勝利ですよね。都丸さんはそれを聞いて、ガッツポーズしているでしょ。これは社会人に対してものすごく大きな影響を与えていると思います。

日野さんが部長の女性がメモを渡す姿がかっこいいと。その部長の女性が聞いたらもう泣いて喜びますよね。実はそういうことが、社会人が陥っている閉塞した状況を、ひとつひとつぶち破っていく力になるんじゃないのかなと思います。

なぜかと言うと、社会というものが陥っている囚われた状況に、学生の皆さんが囚われてない形を持ち込んだ時に、社会人の方々が自分達が囚われている姿というのが見えて来て、私は何のために仕事をしているんでしょうと問いかけはじめるわけです。

 

奥山先生:

ありがとうございました。

最後に大森学長から閉会のご挨拶をお願いいたします。

 

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